伊豆ぽたで行くJU-ZA南伊豆サンクリングトリップ
~伊豆急オモシロ駅長と巡るジオスポット~
2022年10月8日〜9日、2回目となる「伊豆ぽたで行くJU-ZA南伊豆サイクリングトリップ」が開催されました。
7月の開催に続き、今回もスルガ銀行さんプレゼンツで、伊豆急行株式会社さんが下田駅と伊豆高原駅でおこなっているレンタサイクル事業伊豆ぽたを利用し、電動アシスト自転車でより気軽に南伊豆のサイクリングを楽しみます。ガイドは7月に引き続きリンゲージサイクルの田代さん、そして伊豆急オモシロ駅長の齋藤さんが同行してくださいました。
vol.1同様、自転車はまだまだ初心者のJU-ZAのメンバーが、今回のイベントの様子を一参加者としてレポートします。
10時伊豆急下田駅、伊豆ぽたSTATIONで集合した今回の参加者は6人。そしてガイドを務める田代さんと、一日目のみの参加ですが、伊豆急オモシロ駅長の齋藤さんの計8名で走ります。
田代さんにサドルの位置を調整していただいた後、走るコースや、走行時に気をつけるポイント、走行中のハンドサインなどについて注意事項を聞きます。
丁寧で分かりやすい説明のおかげで、普段自転車に乗り慣れてない方も安心! 伊豆急オモシロ駅長の齋藤さんからお聞きした「伊豆の傾き方」も、体感できるか楽しみです。
走り始めてすぐ、電動アシスト自転車の、一歩踏み込みこんだ瞬間からグーンと前に進むアシスト力に驚きます。下田のペリーロードを横切って最初の坂を登る時にも、全く足に力を入れなくてもスイスイと前に進み、「すごく楽ですね〜」と他の参加者の方と話しながら坂道を登る余裕がありました。
街を抜けると、きれいなブルーの海に迎えられて感激。曇り空でも水が青く見えるのは、白い砂浜のおかげなのでしょうか?
鍋田浜では、齋藤さんから海水浴場の東側に見える白い崖についてのお話がありました。南伊豆では火山活動によって堆積した地層が地上に現れている場所が数多くあるそうで、鍋田浜の崖は白い石灰岩が露頭(地層が地表に露出していること)しているもの。この後、これまで意識していなかった地層が自然に目に入ってくるようになりました。
次に向かった吉佐美大浜へは登り道が続きますが、田代さんから適切なギアの説明を受けたこともあって、楽に登れている感覚がありました。トンネルを抜けて田牛海水浴場へ。一度ここでトイレ休憩を挟みます。
砂浜に降りると、一生懸命穴を掘っている方がいたので声をかけてみました。
亀の産卵をいつも見守っているそうで、ちょうど昨夜、子亀たちが卵から孵ったとのこと。残された卵の殻を触らせていただきました。
想像よりも柔らかいその殻の感触に、大海に旅立ったばかりの子亀たちの気配を感じます。また、テレビなどでの報道では見ることの少ない孵化できなかった卵なども目にし、貴重な経験となりました。
お昼ご飯と伊豆七不思議
田牛から細い林間や趣のあるトンネルを抜けて、美味しいお魚が食べられるおか田さんに到着。伊豆海の幸いっぱいのお昼ご飯をいただきます。
ピンクのもち米で包まれた金目鯛がとても美味しい! 店員さんがごはんのお代わりを勧めてくださり、この後走れるかなと心配になるくらい(笑)お腹いっぱいになりました。
食事の間に「田牛(とうじ)」という地名が珍しいので、なぜそんな名前なのか齋藤さんに尋ねました。一説によると、伊勢神宮に伊豆石を運んでいた人々が三重県答志(とうし)島の出身だったからという話があり、田牛の周辺には三重県と関連する史跡や資料が残っているとのこと。当時の伊豆は他にはどんな地域との広い交流があったのだろうかと、思わず想像が広がりました。
おかださんで後半の行程を乗り切るエネルギーを蓄えて、再び出発。南伊豆町といえば外せない、美しい砂浜の弓ヶ浜に立ち寄ります。
ここでは伊豆七不思議のひとつである「手石の阿弥陀三尊」の話を聞きました。
伊豆七不思議 「手石の阿弥陀三尊」
弓ヶ浜の西には国の天然記念物に指定された「手石の弥陀ノ窟(岩屋)」という国の天然記念物に指定された洞窟がある。 今から330年ほど前に、ある漁夫がアワビをとるために洞窟の奥へ入っていくと、突然仏が現れ、驚いた漁夫は慌てて外にでて、思わず合掌したという。波の静かな大潮のとき、しかも晴天の日の正午頃、この洞窟に小舟で入ると暗闇の中空にこつぜんと金色に輝く三体の仏像が現れると言われている。
光の加減で仏が現れたように見えるのではないかとも言われているそうで、今度は一度洞窟を訪れて見てみたいと思いました。
弓ヶ浜での休憩のあとは海岸線を走り、石廊崎へ。小稲、下流、大瀬、本瀬の海沿いはいつ走っても景色が素晴らしく、ただただ見惚れます。
以前この道をE-bikeで走った時には「大変だな」と感じたのですが、今回は田代さんのガイドのおかげでスイスイ登れます。走ること、景色を楽しむことに集中できるのも、ガイド付きライドの魅力なんだなと考えながら漕いでいると、あっという間に石廊崎オーシャンパークに到着しました。
島流しにされた行者がこの土地に飛んできて、笠と蓑を干したという伝説や、石廊崎の先端にある祠が縁結びの神と言われる由縁、そして南伊豆のもう一つの“伊豆七不思議”である石室神社に祀ってある“千石船の帆柱”の話などを、齋藤さんから伺います。何度も訪れている場所ですが、数々の伝説を聞くことで同じ景色が急に神秘的に、新鮮に感じられました。
伊豆七不思議 石室神社の「千石船の帆柱」 江戸時代、石廊崎の沖で嵐に遭った千石船(当時米などを運ぶのに利用されていた和船で、一本の帆柱と大きな横帆をあげて帆走する)が「船員の命を救えるなら、船で一番大事な帆柱を奉納する」と誓ったところ、江戸に無事に到着することができた。その帰り道、奉納のことをすっかり忘れていると、何故か船が進まなくなり、天候が急変した。そこで往路での誓いを思い出して海に帆柱を流したところ、嵐が止んで無事航海を遂げることができ、帆柱は石廊神社に流れ着いたという伝説がある。その帆柱といわれているものが、石室神社の本殿の基礎として使用されて今も残っており、床のガラス張りの部分から見ることができる。 |
オーシャンパークを出ると、あいあい岬まで登り坂ですが、電動なのであまり高低差も感じず、スムーズに登り切りました。
あいあい岬にたどり着くと皆さんから「おー!」という歓声が上がります。眼下に見えるエメラルドグリーンのヒリゾ浜や遠くに見える大型の船、ゴツゴツとした島々が見える景色に感動されているようでした。
売店でJU-ZAのクーポンを使って皆さんソフトクリームやクリームソーダを堪能。海を背景にメロンのクリームソーダの綺麗な色が際立ちます。
JUZAのクーポンについて JU-ZAクーポンはスルガサイクリングプロジェクトにて共催した「JU-ZA Minamiizu RIDE (FREE RIDE)」参加特典として配布したクーポンチケットです。町内の協賛店で対象商品を購入の際、200円引きのクーポンとして使用可能。10月31日までの有効期限でしたが、2023年3月31日まで期限延長しました。 |
あいあい岬からJU-ZAのある子浦へは、最大傾斜約16%の妻良(めら)の坂を通過します。普段から通い慣れた道であり、どれだけの坂か知っているだけに登り切れるだろうかとちょっとドキドキ。一色の交差点を左に曲がり、きつい登りにさしかかった頃、前の人との距離がどんどん離れていきます。
「ついていけない!」と必死でペダルを回しましたが、追いつかず。焦っていると、「一生懸命漕がず、ギアを変えて自転車に任せるように走ってみて」とアドバイスをいただきました。そこで前との距離を気にせず軽めに漕いでみたら、フワっとアシストしてくれる感覚があり、電動アシスト自転車にもコツがあるのだなと体感しました。平地で皆さんに追いつきほっと安心…と思ったら、今度はトンネルを抜けて下り坂がスタート。
「伊豆半島は、フィリピンプレートが駿河湾のプレートの下に入り込んでいっているのに伴い、西に傾いている」という先ほど聞いた説明を理解することができたのが、この下り坂を下っているときでした。
坂の上から子浦方面を眺めると、普段車に乗っている時には気付かない「傾き」を感じます。言葉での説明は難しいので、実際にどんな感じなのかは、ぜひ自転車に乗って体感してみてください!
そのまま一気に下って妻良港に到着。防波堤まで入っていくと、太古から幾重にも堆積してきた地層を眺めることができます。地層好きの方には近くで地層を観察しやすい、おすすめのスポットではないでしょうか。
妻良港を出発し、無事に子浦のJU-ZAに到着。
およそ40km走ったとは思えない楽しくてあっという間の絶景ライドでした。下田駅からJU-ZAまで走って、残りのバッテリーはまだ60%ありました。あれだけの坂道を走っても電池切れの心配なく走ることができるのに驚きます。
そしてサイクリングで温まった体が冷えないうちに、全員でストレッチタイム。よく使った腿の筋肉と、長時間両腕を前に出してやや前傾姿勢でいたために固まってしまった腰や胸の筋肉をほぐすように、椅子を使ったストレッチを行いました。
電動アシスト自転車も、サイクルピットで明日に備えて充電します!
この日の夕食は、“子浦でのマリンアクティビティはおまかせ!”KOURA BASEさんで、伊勢エビのバーベキュー!
秋が旬、新鮮な伊勢エビを、お刺身、炭火で焼いて、お味噌汁にもして…と伊勢エビづくしの贅沢な内容に、皆さんも私も大満足でした。栄養をたっぷりとって明日の下田までのスタミナもチャージ完了です!
この日の朝食はバターナッツかぼちゃのポタージュとパン。カゴに入れて用意されているので、海辺に持っていってピクニックなども楽しむこともできます。
バターナッツかぼちゃは有機無農薬で野菜を育てているマザーアースクラブさんのもの。海産物の印象が強い南伊豆町なのですが、実は有機無農薬の農家さんが多くいらっしゃり、首都圏にも出荷されています。
そしてパンは地元の老舗大丸堂製菓さんにJU-ZA用として作っていただいているパンで、ソフトフランスと胚芽、チーズの3種類が楽しめます。ジャムも道の駅で販売している夏みかんジャム。南伊豆町の恵みをいっぱい詰め込んだ朝食になっています。
JU-ZAを出発して昨日下ってきた妻良の坂道を登ります。
昨日の教訓を活かし、踏む前にフッと力を抜くとグーンとアシストが入り、嘘のようにぐいぐい進む。自然に笑いが込み上げてきてしまいました。
通い慣れた道ですが、「こんな所に階段があったのか!」と新たな発見があったり、草木匂いや風を切る音を聞いたり… 日々見過ごしてしまっている南伊豆町の楽しみを、あらためて感じ取ることができるのも、自転車の醍醐味だなと感じました。
そして道の駅 下賀茂温泉湯の花に到着。
道の駅には南国南伊豆町ならではの品物が満載! 青パパイヤをみて興味深げに見る方、バタフライピーという青い花を購入する方など、各々南伊豆町ならではの食べ物やお土産を見て、楽しい時間を過ごします。
JU-ZAのクーポンで道の駅名物「ところ抹茶」を堪能する方も!
道の駅のあとは、次の目的地田牛の「龍宮窟」へ向かいます。夏には砂がかぶっていた地面が岩肌を見せていて、表情が変わって感じられました。
こちらの龍宮窟には上へ登る遊歩道が整備されているので、上からと下から両方の眺めを楽しむことができます。龍宮窟を上から覗くとハートの形に見えることから、近年ラブパワースポットとしても人気なのだとか。
すぐそばにはサンドスキー場もあり、お子様連れにもおすすめの観光地です。
田牛から吉佐美へ移動すると、たまたま秋祭りが開催されていて、笛や太鼓の音にワクワク。コロナ禍での中止を乗り越えて、やっとお祭りが開催できるようになったことに感激しながら走ります。
車でやや渋滞する道も自転車で駆け抜け、下田の駅へ到着!
アップダウンの多い南伊豆町を2日間サイクリングしてもさほど疲れを感じなかったのは、電動アシスト自転車の力もさることながら、田代さんのアテンドが適度なスピードでペース配分を考えながら走ってくださったからだと思いました。
2日間張り切って、晴れやかな参加者の皆さんの笑顔で締めくくり!
自転車で長い距離や山道を走った経験がなくても、手軽にサイクリングを楽しめるのが電動アシスト自転車のよいところ。自転車で走ることで南伊豆町の魅力を五感全てで感じることができます。今回のサイクリングの様子を見て、南伊豆町を自転車で走って観光してみたい!と思っていただけたら嬉しいです。
2022年10月には「伊豆ぽたで行くJU-ZA南伊豆サイクリングトリップ」の企画をしてくださっているスルガ銀行さんが、南伊豆町と「自転車振興に関するパートナーシップ協定」を締結されましたので、ぜひ今後も南伊豆町と自転車のコラボレーションにご期待ください!